「 Mr.Children "HOME" TOUR 2007」(アリーナツアー版)DVD感想


昨日、仕事が休みだったので、久しぶりにじっくりとHOMEのアリーナツアーを見た。
で、今更ながら-in the field-に続き、感想なぞを書いてみた。
意味のない写真も挿入しますんで、楽しんでください。
(文章が多少理屈っぽい部分があるので、気に入らなかったら流して読んでね)


あ・・・思いっきり、ネタばればれなので、まだ観ていなくて先入観を持ちたくない人は、読まないでくださいね!
購入したくて迷っている人、内容を知りたいって人にはぜひ見てもらいたいな。
批判的な事は書いていないつもりなんで。


もう、数え切れない程、この作品を観ている。
感じた事を文章化すると、妙に安っぽくなってしまうのがいやなんだけど、
今、まさにミスチルモード全開で、何か書き留めておきたい気持ち・・。
ミスチルのLIVE DVDは順位をつけられない位、全部お気に入りなんだけど、
ファンになって、最初にはまったLIVE DVDだから、なんか思い入れが深いのよ。


でも、同じツアーという事もあり、多少-in the field-との比較にはなってしまう。
それは、殆ど面で映像の編集。
作品として、どちらの方が良いということは言えない。
同じHOMEツアーなのに、全く違う作品に仕上がっているからだ。
それもそのはず。
映像編集が、-in the field-が丹下さんで、こちらのアリーナ版は谷聰志さん。
私、谷さんの編集好きだなぁ。
映像のカラーはセピア色っぽくモノトーンに加工してあるけど、(賛否は分かれる)私は自然に受け入れる事ができた。


☆ -in the field-との比較(編集)。
前述のしたように、映像編集がアリーナの方が好み。
歌と歌との合間や間奏など、歌っていないシーンでの桜井さんの表情やしぐさがよく捉えられており、
実はそんな些細な部分で、感動したりする。
あと、モニター映像が-in the field-より、効果的に写りこんでおり、アリーナで観ているような臨場感がある。
色を抜いたと思われるカラー加工も、少し暗い感じがするのは否めないが、
インドアのアリーナでのLIVE感が伝わってくるので、私的には問題ない。



☆ 本編
<Disk1>
1.オープニング 
ほぼ、モニター画面を映している。これからLIVEが始まるぞ!という気分も高まる映像だ。


2.彩り
ピンクのジャケットに少し濃い目のスカーフで登場。かわいすぎ。
当時、この歌が大好きだった事もあり、冒頭から感動に浸って観ていた一年前を思い出す。
 
HOME LIVE画像


3.and I love you
二曲目だというのに、早くも渾身を込めて歌う桜井さんの姿に、胸が締めつけらる思いがした。
何度観ても、感動の一曲。
ピアノのイントロから、おごそかに・・そしてゆったりと桜井さんのソロコーラスから入る。
その後、いつもより少しハイテンポで演奏されてゆく。
Cメロで、感情が爆発。声を振り絞る桜井さん。圧倒されて目が離せない。言葉もでない。


4. youthful days
円形状につくられたステージを円を描くように走り回る桜井さん。ファンに大サービス。
田原さん、中川さん、JENくんたちメンバーのリラックスした表情も見られる。
途中、物がステージに投げられて、桜井さんにぶつかりそうになった事は、今だファンの間で非難の的となっている。
せっかくのメンバーや桜井さんの真心が無になってしまうので、私たちファンはマナーを守りたいものです。


5.箒星
前曲と同じく、桜井さんが走ってたりしてよく動く。田原さん、楽しそう。
跳んだり跳ねたり。ちょっと疲れて、時々息切れ気味(笑)
「でもね 僕らは未来の担い手、人の形した光」と歌ってる時に、
桜井さんが掌で自らの体の形を描くように指し示した仕草が好き。(表現が難しいな)


桜井さんMC(正確ではない)
「このHOMEというアルバムは、僕が家でとか、自転車にのりながら曲を作ったりして・・・
それを簡単なコード譜にして、スタジオでみんなでいっせいのせで、セッションして、
それぞれの音に影響をされ合いながら出来ていったアルバムです。
このアルバムは、完全な完成形でなく、色んなところにスペースがあったりとかして、
わざと完成させないで作りました。
多分、毎回liveでやるたびに違う音になるかと思うんですが、
ここで、新たなHOMEの音を完成させたいと思っております。
みなさんの表情などに影響されて作っていきますので、最後まで付き合ってください。」


というような内容のMCが入る。


6. Another Story
ここから、二曲アルバム「HOME」からスローナンバーが続く。
アルバムの中では、それ程心に留めているナンバーではなかったが、このLIVEを観て、じんわりと歌詞が胸に染みてきた。
倦怠期から円熟期を迎えようとしている夫婦の情景が目に浮かんでくる。
自分たちの姿を投影してしまう。
ある程度、年齢を経た人たちには、ぐっとくるナンバーなのではないだろうか。
桜井さんの歌っている表情が、とっても優しくて、なんだか泣けてくる。


7.もっと
9.11グラウンド・ゼロインスパイヤされて作った曲。あのテロが起こった頃に作られた。(-in the field-インタビューより)
個人的に大好きな歌なので、ただただ聞き入ってしまう。
一番最後のサビ「大きなハート 持てるといいな」というフレーズのところで、小さくこぶしを握った姿と表情が印象的。


8.いつでも微笑みを
シングル「旅立ちの唄」のカップリング曲として、このLIVEの音源が使用されている。
感極まったためか、Cメロ(かなぁ?)の冒頭、声がひるがえっている。
感情を込めて歌っている姿には、色々な表情を見ることができ、観ている方も感情移入してしまう。


9.PIANO MAN
私には、プロデューサー小林さん枠の舞台に思えた。


10.ランニング・ハイ
ミスチルにしては、少し変わったドロくさい歌。個人的には好きな方。
浜田省吾を彷彿とさせる楽曲。



長髪の頃の桜井さん。たまにマッチに似ている様な気が


11.Imagine
12. CENTER OF UNIVERSE
13.Dance Dance Dance
14.フェイク
15.Any

  • in the field-と同じ曲順、ほぼ同じアレンジ。

こちらは、五曲つながったまま映像化されているため、-in the field-よりLIVEのアレンジ効果がそのままリスナーに伝わりやすい。
桜井さんのテンションや気持ちの込め方が-in the field-と少し違う。
アリーナ版の方が、音楽と一体化したように気持ちが入ってるなぁと感じた。

「Dance Dance Dance」から「フェイク」への繋がる時の映像は良かった。
そして、「フェイク」の映像編集はもっと素晴らしいと思った。
モニター映像と桜井さんとメンバーの映像がうまく合成されていて、一つの作品に仕上がっているように感じる。


「フェィク」から「Any」へ繋がる瞬間、桜井さんが後ろ向きに歩きながらマイクスタンドをにぎり、
JENとアイコンタクトをとるような姿が印象的だった。
何ともないような場面だけど、なぜかそんなシーンが心に残っていたりする。
「Any」のアレンジは素晴らしく、圧巻の一言。
「“愛してる”と君が言う 口先だとしても 
たまらなく嬉しくなるから それもまた僕にとって真実」のくだりでは、
本当に、たまらなく嬉しそうな表情と声で歌っている桜井さんが、ものすごく愛らしかった。




<Disk2>
1.To U
「Any」の感動がさめやらぬ中、しっとりとしたナンバーでLIVEステージへ気持ちが戻される。
一番のSalyuのパートを観客が合唱。サビで桜井さんが本来の自分のパートをハモる。
二番から桜井さんがメインパートをほぼ歌う。
心洗われるような、そんな感動がじんわりと胸に残る。


2.タガタメ
嫌いではない。初めのうちは結構、聴いていた。
でもなんとなく気持ちが重くなるので、普段は進んでは聴かないし、いつも飛ばしてしまう。
最近、「HANABI」のカップリング曲として、原曲に近い形で発表された「タダダキアッテ」を聴いて好きになり、
こちらの曲も前よりも抵抗なく聴けるようになってきた。


3.ポケット・カスタネット
4. Worlds end
5.終わりなき旅
6.しるし


 -in the field-とほぼ同じアレンジで、後半の軸となる四曲。
「ポケット カスタネット」の映像編集が気に入っている。
フェイク同様、効果的にモニター画面が使われているように感じる。


「Worlds end」は、前奏および、曲全体を通して響き渡るJENのドラムと中川さんのベースのリズム隊コンビが素敵。
そのリズムは、まるで早鐘の鼓動のようで、気持ちは自然に高揚してくる。


「終わりなき旅」 桜井さんの渋いエレキ・ギターソロからゆっくりと入るこのアレンジが好きだ。
モニターには、戦後、必死に復興してゆく昭和の日本の姿が映っている。
高度成長期などの画像とともに、桜井さんと同年代の私には、懐かしい映像ばかりだ。


「しるし」 何度聞いても飽きないこのナンバー。
毎度、この曲を歌う時の桜井さんは、渾身のこもったステージが多いので、もれなく感動してしまう。


桜井さんMC
心に残るMCだったので、文字起こししてみた。(閑人?)
「今からあの・・アルバム”HOME”の一番ラストに収録されている曲をやりたいと思います。
あのー、タイトルとは全く真逆の・・・ね、タイトルは”あんまり覚えてないや”ですが・・・
忘れられない事、忘れたくない事、一杯あるぞうという思いで作っております。
今日このLIVEの時間、みなさんにとっても僕らにとっても
忘れられないものになる事を願いつつ、お届けします」


7.あんまり覚えてないや
過去に、このようなヘンテコなタイトルのついた歌は、聞いた事がない(笑)
初めてアルバムでこの曲を聴いた時は、思わず爆笑した。
主人は、まるで私の事を言ってるみたいだな、と苦笑していたけど、歌の中で本当に言いたいことは、
「大切な思い出は、ずっと忘れていないんだ、こんなに覚えているんだよ」という事。
終盤のフレーズには、自然と涙が出てくる。
アコースティック・ライブのように、前面にメンバーが集まって演奏。
まるで「シフクノオト・ツアー」のときの「Mirror」のような演出だ。
このようなアコースティクライブ風(俗にいう、アンプラグドLIVE)は、Bon Joviがスタジオ・ライブで行った事で、有名になった。
二番に入る時、桜井さんがJENに歌わせようとする仕草があったが、
タイミングが合わなかったのか、JENが遠慮したのか、結局二番も桜井さんが歌う。
とても好きなナンバーなので、LIVEで演奏してもらって、感謝の気持ちで一杯だ。
本当に忘れられない一コマとなりました。(なぜか敬語?)


8.Overture〜蘇生
希望と勇気が自然と湧いてくるナンバー。終盤にふさわしい曲だ。
Cメロを聞くと、毎度のことながら、心強くなる。


MC
こちらも、印象深いものだったので、文字起こししてみた。(やっぱり閑人??)
「最後にもう一度、“彩り”をやりたいと思います。
この曲ができて、スタジオで みんなで最初に音を出したとき、なんかこう・・・
自分たちが音楽をやる事の意味が、この歌の中に描かれているような気がして・・・
できるだけ こう・・早く、みなさんに“彩り”を聞いてほしくて・・・
で、今こうやってみんなの前で“彩り”がやれて、本当に嬉しく思ってます。どうもありがとう」


少し間をとる。この間の桜井さんの喜びをかみ締めるような、優しい表情がとても素敵だった。
「歌の中にあるように、些細な事に生きがいや喜びを持って生活するのは、
難しかったり、すぐに忘れちゃったりするんですけど、またもう一度 確認するように・・・
自分に言い聞かすように・・・やります。・・・“彩り”」


9.彩り
桜井さんが吹くハーモニカのイントロ。これだけでも、胸にジンとくる。
ap bank fes’96で初披露した時のスローバージョンのアレンジと同じ。一番のみスローで、二番から通常に戻る。
Cメロでは、本来は二回とも「ただいま おかえり」と歌うのだが、
二度目のフレーズは「ありがとう また会おう・・・」と変えて歌っている。
最後のサビでは、「今、僕の目の前の人の 笑い顔をつくってゆく」というフレーズを
「今、僕の真後ろの人の 笑い声もつくってゆく」と、
ステージの後ろ側、一番LIVEが見にくい二階席に座っている人たちを労わるように歌った。


10.エンドロール「やわらかい風」
アルバムの中でも、それほど熱心に聞く曲ではなかったが、このLIVEを観てからは好きになった。
LIVEのリハーサル風景が流れる。
メンバーたちの笑顔に溢れたエンドロール。
桜井さんが、衣装をスタイリストに見てもらいながら、おどけたり、笑ったりしている姿が、微笑ましい。
相変らず、LIVE前にサッカーをやっている姿が映ったり、
メンバー(中川さん)・スタッフがツアー中に誕生日を迎えてお祝いする姿(ケーキを顔に、バシャッと・・・)
眼鏡をかけている桜井さんも見れる。
なんとも和やかで、楽しそうな風景ばかり。見ている方も、心が和む。
意外にも、この曲がエンドロールにぴったりで、
このまま、まだまだ夢みたいな時間が続いてゆくような、そんな余韻を残しながら、LIVE DVDは終わる。


 


エンドロールの最後は、LIVEの始る直前の様子・・・桜井さんがステージへ向かう姿で終った。
今思えば、このアリーナ版「HOME TOUR 2007」は、-in the field-へ続く序章だったのかもしれない。
 -in the field-の始まりは、まるでアリーナの最後の「彩り」の演出と似ていて、まるで続きを見るような気分であった。
私にとって、「HOME TOUR 2007」「HOME TOUR 2007-in the field-」は、二作品で一つの作品と思えるようになった。