レッド・クリフ Part1
先週13日に姉と一緒に見に行きました。
原作は「三国志」の中でもっとも有名なエピソード『赤壁の戦い』をテーマに繰り広げられる歴史超大作。
監督は、あのジョン・ウー
『男たちの挽歌』『ミッション:インポッシブル』など手掛けた世界的な巨匠。
三国志ファンの私にとっては、もう絶対に見るっきゃない!って思う作品です。
<あらすじ>
208年、中国・三国時代。
天下統一という野望に燃える曹操(チャン・フォンイー)は80万もの兵力を率い、怒涛のごとく敵国を攻めていた。そして、誰もが彼らの勢力に圧倒されていた。そんな中、劉備軍の若き天才軍師・諸葛孔明(金城武)と、孫権軍の知将・周瑜(トニー・レオン)の2人の男が立ち上がった。そして2人は、6万という兵力を振りかざし、その巨大な勢力へと立ち向かうため、連合軍を結成する。兵力では劣っているが、2人は奇策と知略をめぐらし、戦いへと挑むのであった。だが、曹操の野望の裏には、一人の女性に秘められた目的があった――。
<スタッフ&キャスト>
監督: ジョン・ウー
脚本: ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
出演 : トニー・レオン/金城武/チャン・チェン/ヴィッキー・チャオ
製作国: 2008年アメリカ・中国・日本・台湾・韓国合作映画
<周瑜>役 トニー・レオン
陣形・戦術の描き方に圧巻
「三国志」を知っているか、知らないかで、随分と見る視点が変わると思います。
全く知らない人がどのように楽しめるのか、私には想像できないですが。
「三国志」に思い入れが深い分、色々と違和感も感じられる作品でありました。
しかし、小説やTVドラマでは描ききれない、壮大なスケールのロケ。そしてCG。
まさに、「ロード・オブ・ザ・リング」に負けずとも劣らない、ものすごい迫力でした。
映画館で見る醍醐味の、「音響」
ものすごい数の人と馬を使っての戦闘のシーンは、もう圧巻でした。
地響きがするんですよ・・・ものすごい臨場感。
それと、小説などでは想像するしかない、陣形、そして戦術の繰り広げられ方。
素晴らしいの一言・・圧倒されました。
前に、NHKで放送された中国大河ドラマ「三国志」の中で、
数々の陣形・戦術を初めて実写で見た時も、驚きと楽しさで一杯でしたが、
一つの陣形を全体的に、これだけ大きなスケールで実写で見るのは初めての事で、
これを見ただけでも、価値は大きい。
映画館まで足を運んだ甲斐がありました。
亀甲の陣形(九官八掛の陣)
解かり易いストーリー展開
実際の三国志は、あまりにも登場人物が多いため、映画の短時間の中でそれをいちいち覚えている余裕はない。
この映画では、主要登場人物が観ている人の心に入りやすい様に、ターゲットをしぼっており、
よりストーリー性を持たせて、全く知らない人でも楽しめるように描かれていると思う。
ストーリーは、短時間で解かりやすい展開で繰り広げられる。
女性っ気がほとんどない原作だが、本作では周瑜と小喬の一途な愛が表現されており、
さらにそこには曹操の異常とも思える小喬への執着が描かれ、
まるで「赤壁の戦い」の発端は一人の女性への執着によるもの・・・という事を強調している。
三国志ファンにとってこの部分は、ちょっと無理があるような解釈にも思えるが、
一つの映画作品として人を惹きつけなければならない為、ロマンスありきも仕方ない部分だと思う。
さらに原作では、孔明と周瑜の間には、友情というよりは、因縁深い敵対心の方が強く描かれているが、
(特に周瑜の孔明に対する一方的な嫉妬)
映画では、二人の友情も大きなテーマとなっており、元からの三国志ファンにとっては、少し違和感もある。
ハマっているか?! 〜キャストについて。
トニーレオンの周瑜は、なかなか魅力的。
はっきり言って、孔明役が金城武と聞いたときは、非常に驚いた。
まったくイメージと合わないから。
私の中での孔明のイメージは、スラッとした細身の長身で、色は白く、
常に口元には不敵な笑みを浮かべ、飄々としている立ち居姿。
金城くんは、とってもかっこよくて、素敵なんだけれど・・・
彼には、孔明をイメージするような眼の鋭さがない。
優しい面持ちもまた、孔明のイメージとは合わないような気がする。
孔明は、稀代の天才軍師。若いのにどこか老獪なところがまた魅力的な人物。
で、ネットで色々調べてみたところ、このような記事を見つけて、納得した。
<当初周瑜の役にはチョウ・ユンファが予定されていたが、撮影開始直後に彼が降板。もともと孔明役でキャスティングされていたトニー・レオンが代役となり、空いた孔明役に金城武が入ったというドタバタがあった。(中略)
周瑜がチョウ・ユンファであれば……という気持ちも多少はあるが、金城武の孔明が意外に面白く、これはこれで映画の魅力になっていること間違いなしだ。>
ああ、なるほどな〜・・・。
トニー・レオンが周瑜と知った時、いやトニーの方がまだ孔明の雰囲気あるでしょって思った。
チョウ・ユンファがなぜ降板したのか知らないが、私はかなりユンファの演技が好きなので、少し残念だと思った。
年をとりすぎているからか。本当に周瑜をやるなら、もう少し痩せないと(笑)
映画を見る前は、孔明役に不満もあったが、
金城くんはかなりビジュアルが良いので、彼なりの孔明の魅力が出ていたと思う。
竹野内豊さんに似ているなぁっていつも思う。(顔だけ)
孔明は老獪なイメージだけど、忠誠心の熱い誠実な人物なので、
そういう意味では、あっているかもしれない。
余談ですが・・・
日本人で孔明にピッタリなのは、狂言師の野村萬斎さん。
あの鋭い瞳、飄々として気品ある立ち居振る舞い。
そして、狂言で培われた「舞」。
赤壁の戦いのクライマックスで、東南の風を呼ぶために祭壇で祈りの舞を捧げる姿なんかを想像すると、もうピッタリなんですよね〜
ともかく、まだパート1ですよ。
終わり方がイマイチだった。
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のような締め方を期待していただけに、
普通に連ドラのように、次回につづく!!みたいなアッサリした締めでした。
でも、次回って来年の4月だよ・・・
五ヶ月も先よ。あ・・・ミスチルのLIVEも4月だ☆
長くてもいいから、一気に二部作やっちゃってほしかったぁ〜・・・と思うのは、私だけ?
しかし!いよいよ次回作では、
魏の曹操軍80万に対して、周瑜・孔明の知略によって、たった数万で敵を打ち破る
三国志最大の名場面「赤壁の戦い」の火蓋がきって落とされるわけです。
水上での壮大な戦闘場面、楽しみです☆
「さらばわが愛〜覇王別姫」「始皇帝暗殺」などでも渋み味のある名演技を見せた<曹操>役のチャン・フォンイー
敵陣の中、たった一人で劉備の子を懐に護って戦う<超雲>フー・ジュン
関羽と張飛のよいフォトを見つけることができませんでした☆残念
ちなみに・・・三国志ファンになるきっかけとなった、NHK人形劇「三国志」の孔明のフィギュア
↓
映画とは無関係ですが、10年ほど前に購入した、『諸葛亮 孔明』 です。
キャラクターデザイン:川本喜八郎先生(人形師)
作:海洋堂
全長16cmほど・・・かなり精巧に作られております。
数量限定でつくられ、当時、一体・約1万円前後だったと思います。
今思えば・・・劉備・関羽・張飛の三体も購入すれば良かったと後悔しています。
言っておくけど、お菓子についてきたあのちっこいフィギアじゃないよ!!